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波長分離フィルタ

 太陽光にはさまざまな波長成分の光が含まれていますが、白熱電球や蛍光灯などの光源にもさまざまな波長成分の光が含まれています。そういったさまざまな波長成分が含まれた光の中から、赤外線や可視光線など特定の波長の光を取り出すために使われるのが波長選択フィルタです。波長選択フィルタとは、特定波長範囲の光を透過して、それ以外の光を反射もしくは吸収するフィルタのことです。特に、ある波長を境にして、その波長より長い光を透過・短い光を反射させる(あるいは長い光を反射・短い光を透過させる)フィルタは、波長を分離して利用するということから波長分離フィルタとも呼びます。

 身近にある波長分離フィルタの例としては、窓ガラス用の断熱フィルムや照明用ミラーなどがあります。これらは可視光領域の光は透過して、赤外領域の光は反射するようなフィルタです。可視光を透過しているためほぼ透明に見えますが、赤外線は反射するためにフィルタを通過してきた光はエネルギーが小さくなり、人が立っていて暑さをあまり感じません。そのため、窓用断熱フィルムを利用することで夏場のエアコン運転を減らすことができ、省エネルギーにもつなが ります。

 このような波長分離フィルタですが、大まかにホットミラーとコールドミラーに分類されます。断熱フィルムや照明用ミラーなどの可視光を透過して赤外線を反射するフィルタをホットミラー(赤外線=暖かい光を反射)と呼びます。逆に、赤外線を透過して可視光を反射するフィルタをコールドミラー(赤外線より短い波長の光=冷たい光を反射)と呼びます。JAXAの太陽光熱複合発電システムに使われているフィルタは、フィルムの表面に特殊な金属をコーティングした誘電体多層膜フィルタで、これはコールドミラーになっています。

 ソーラーツインザラスでは、プラスチック製品ではハーフミラーの性質をもつフィルタを使っています。ハーフミラーフィルタとは、太陽光を2分岐するための特殊金属をコートしたフィルタです。アクリル製品では誘電体多層膜フィルタのコールドミラーを使っています。

フィルターハーフミラーの分光特性の一例誘電体多層膜フィルターの分光特性の一例

ハーフミラーと誘電体多層膜フィルタの分光特性の一例を図4に示します。ハーフミラーの分光特性としては、可視光から赤外光までの広い領域で、光の約 50%を透過して、約25%を反射していることがわかります。一方、誘電多層膜の波長選択フィルタの分光特性は波長の短い可視光の領域では光の約80%を 反射して、約10%しか透過しません。0.8μm以上の赤色〜赤外領域では光の約10%程度しか反射しませんが、約80%を透過します。この誘電体多層膜 フィルタの特性が、太陽光を可視光と赤外線に分けて利用することができる理由なのです。

 次に、ハーフミラーフィルタと誘電体多層膜フィルタの写真を図3に示します。ハーフミラーフィルタは黒っぽいフィルムなのに対して、誘電体多層膜フィルタは金属光沢があるのがわかります。ハーフミラーフィルタが黒っぽい半透明なのは、図4からわかるように可視光の透過率が低く、反射率もそれほど高くないためです。誘電体多層膜フィルタは、透過率がかなり低く、可視光線の反射率は高いために表面は金属のような光沢があります。これらフィルタの見た目の違い は、フィルタの透過・反射の特性を表しているのです。

 誘電体多層膜を蒸着した薄いフィルムは製造コストが非常に高くなってしまい、教材用として量産するのは難しいのが現状です。そのため、ソーラーツインザラスでは「太陽光の光と熱のエネルギを使って発電する」という観点から、模式的にハーフミラーを使っています。

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