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用語集−た

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太陽光

 光は電気と磁気が振動しながら進む波で、その一回の振動に進む距離を波長といいます。太陽光にはさまざまな波長を持つ光成分が含まれており、光の波長による名称の違いを図1に示します。光は波長の短い方から、紫外線・可視光線・赤外線と呼ばれています。

 紫外線は人間の目には見えない短い波長の光で、英語の略称からUV(Ultra Violet)とも呼ばれています。サングラスや日焼け止めなどで「UVカット」という言葉を耳にしたことがあると思いますが、このUVとは紫外線のこと です。紫外線は人間の目などに当たると視力に悪影響を及ぼしたりしますが、食品の殺菌や半導体製造などで有効に利用されています。

 可視光線は、私たち人間が目に見える波長の光です。言いかえると、可視光線の波長以外の光は人間の目には見えないのです。例えば赤外線を利用したリモコンなどでは、送受信する際に光が目には見えなくても信 号は伝わっています。さて、人間の目に見える光というのは、波長がおよそ380nm〜800nmくらいの範囲の領域です。可視光領域の波長の違いによって 目に見える光の色は異なり、波長の短い方から「紫・赤紫・青・緑・黄・橙・赤」となります。この色の並び方は、図1にも示したような光の屈折と分散を利用 したプリズムで確認できますが、雨上がりの空にかかる虹でも見られます。ちなみに光の波長と色の関係はおよそ青色450nm、緑色540nm、赤色 630nmとなっています。この青・緑・赤は光の3原色と呼ばれ、同一輝度で同時に照射すると人間の眼には白色に見えます。

 赤外線はおよそ800nm以上の波長の長い光で、人間の目には見えません。たとえば、屋外で炭などを熱したとき、風上にいても暖かさを感じられます。こ れは、炭が発する赤外線によってエネルギーが周囲に伝わって、私たちはその赤外線によって伝わってきたエネルギーを熱として皮膚で感じ取っているのです。 赤外線が利用されている例としては、家電製品のリモコンや携帯電話などのデータ送受信などがあります。

 このように、太陽光はさまざまな波長を含んでいます。図2には太陽光の波長に対するエネルギーの分布を大まかに示します。図2から可視領域の光が約 44%、赤外領域の光が約48%のエネルギーをもっていることがわかります。太陽光熱複合発電システムでは、これまでの太陽光発電で利用していなかった、 赤外領域の波長の光も有効に利用することができるのです。このように光の波長を分離・選別して、これまで有効利用されていなかった波長を利用した太陽エネ ルギー活用は今後ますます盛んになると思われます。

熱電変換実験図1熱電変換実験図2

太陽電池

 太陽電池は、光が当たると電気を発生する半導体です。太陽電池(アモルファス太陽電池)の写真を図5に示します。身近なところでは、卓上電卓や腕時計などに使われており、近年ではさまざまな施設や一般家庭にも発電用の太陽電池が盛んに導入されています。太陽電池を利用した太陽光発電には、次のような特徴があります。

(1) 発電に必要な光は化石燃料と異なり枯渇する心 配がなく、発電時にCO2などの排出がない

(2) 火力・水力発電所のように、大規模なシステムが不要

(3) 光があればよいため、宇宙空間などでも発電が可能

これらの特徴をもつため、太陽光発電による電力はクリーンなエネルギーと呼ばれ、現在でも盛んに開発が行われております。日本ではここ10年間で太陽電池の出荷量は大きく増加しており、現在では国内市場のみならず海外への輸出が大きなウェイトを占めています。

 図6に太陽電池の構造と原理のモデル図を示します。もっとも簡単な太陽電池の構造は、p型とn型の半導体を組み合わせたものに反射防止膜をつけて、電極で挟んだものになります。この半導体に照射された光のエネルギーが電気エネルギーへと変換されることで発電を行っています。

 一口に太陽電池といっても様々な種類があります。たとえば、現在最も普及しているシリコンを用いた太陽電池だけでも単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンなどがあります。また、光吸収層に無機化合物や有機化合物を用いたものもあります。形状による違いでは、薄膜型や光吸収層を積層したタンデム型などがあります。

 ソーラーツインザラスに使われている太陽電池はアモルファスシリコン(a-Si)の太陽電池です。a-Si太陽電池は可視光で効率よく発電することができます。図7にa-Si太陽電池と単結晶シリコン太陽電池(c-Si太陽電池)の波長に対する感度の一例を示します。a-Si太陽電池の感度のピークは可視光領域の波長0.6μm付近であるのに対して、c-Si太陽電池の感度のピークは波長0.9〜1μm付近にあるのがわかります。太陽光熱複合発電では可視光と赤外線を分離しているために、太陽電池に照射される光のほとんどは可視光になります。そのため、可視光で感度がよいa-Si太陽電池を使うことで有効に発電を行っているのです。

 そもそも太陽光熱複合発電システムでは、可視光と赤外線を分離して利用していますが、なぜ分離する必要があるのでしょうか? これは、太陽電池が温度の上昇に伴って性能が低下するという欠点を補うためです。太陽光に含まれる赤外線が太陽電池に照射されると太陽電池の温度を上昇させ、太陽電池の性能を低下させてしまいます。そのため、可視光線に感度がよいa-Si太陽電池に可視光線をなるべく多く照射させつつ、赤外線をカットすることが望まれます。さらに、a-Si太陽電池はc-Si太陽電池に比べて温度上昇による性能低下が小さいことも利点となります。赤外線を大幅にカットしても太陽電池の温度は上昇してしまいますが、性能の低下は少なくて済みます。

熱電変換実験図1熱電変換実験図2

デジタル入出力

 デジタル入出力(DIO:Digital Input Output)とはLow、High(0と1)の2値でデータの入出力を行うことです。パソコンにDIOインターフェースボードを取り付けて機器と通信する場合には、DIOボードを介して信号のLow、Highに応じた電圧として入出力することになります。

入出力の電圧レベルとしてはTTL(0〜5V)やLVTTL(0〜3.3V)と呼ばれる方式があります。DIOは信号のLowとHighの2値を扱うため、スイッチのON/OFF(例えば電磁ロックやLEDのON/OFF)の制御に使われることがあります。

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